Cracks of Foam

泡沫のヒビ

邦楽

アルバム『時の少女』について

ものごとの例えが上手い人というのは話し上手な人である。人々の関心を大いに集めつつも思慮深く、鋭い切れ味を持って会話を愉しんでいるように思う。 私個人としては脳みそを33回転以上させないことを信条に生きているのだが、その人は会話を競技か何かだと…

アルバム『メシ喰うな!』について

西のペヤングは薄いんや…。 帰省するなり兄は流暢な関西弁で不満をこぼした。もう実に5年も前の話であるが、私はペヤングを食べる度にそれを思い出し、味覚とは何であるのかを粛々と考えるのであった。 色々と、もう本当に色々なことがぐるぐると巡り巡って…

アルバム『LOVE FLASH FEVER 』について

父性愛が足りないまま大人になった、というカミングアウトをした晩に飲む珈琲は苦い。言葉の淹れ方が良くなかったのであろう。 親はなくとも子は育つという惨めな言葉にすがりたくもなる。 子供の頃何を聴いて育ったかは個人のパーソナリティを決定する大き…

アルバム『EDO RIVER』について

つい2ヶ月程前まで名古屋にいた。名古屋の片隅、地域名は伏せるが仮にカニエ・ウエストとしておこう。カニエ・ウエストはベッドタウンで何もなかった。娯楽もない、道は一方通行が多く、その上暇さえあれば所構わず道路工事をしていた。居酒屋らしい居酒屋…

アルバム『センチメンタル・シティ・ロマンス』について

シティポップスおじさんという人種がいる。彼らは心の中に山下達郎を飼っており、山下達郎のギター音が主食であり、それ以外は一切受け付けない。そんな冗談を考えてしまう程、シティポップスというジャンルは危険な匂いがする。『センチメンタル・シティ・…

モノと邦楽、時々映画

「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。」という土佐日記の有名な一節から、日記とは元来男のモノである。なとどとぬかせばジェンダー論の教諭は即座に顔面トランザムであろう。別にそんなことはどうでも良い。 自分はほぼ日手帳に2日の…